知恵の樹

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リーダーシップの鍵は未来像を共有すること(ジョセフ・ジャウォースキー「シンクロニシティ――未来をつくるリーダーシップ」

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リーダーシップがチームのパフォーマンスを決める

チームが最高のパフォーマンスを出すのはどんな時か?

 

 

それはメンバーが一体となって課題に向き合った時です。個人の力をベクトルとすると、ベクトルの向きを揃えることによって組織は個人を超えた力を出すことが出来ます。

 

前職でマーケティングの仕事をしていた時、一度だけそういう一体感を持った仕事をする経験を持ちました。

 

とある新コンセプト商品の市場導入プロジェクトだったんですが、非常に優秀なマネージャーが居て、普段はいがみ合っている商品企画・マーケティング・セールスが、一体となってプロジェクトに取り組みました。

 

なんというか、毎日がお祭り騒ぎのようでした。

 

今考えると、あのマネージャーは「サーバント・リーダーシップ」を体現していたのだと思います。あれしろ、これしろ、とは絶対言わなかったし、全体を引っ張っていくというスタイルではなかったけれど、彼が居なかったらプロジェクトは絶対に成功しなかった。

 

 

今持つべきリーダーシップ観

リーダーシップとは、人を強権的に従わせる力のことではありません。更に言うと、人をぐいぐいと引っ張っていく力のことでもないのだと思います。

 

そうではなくて、リーダーシップとは、未来を幻視させる能力のことで、その未来作りについつい参加したい気分にさせる能力のことなんだと思います。

 

色々なタイプのリーダーシップがあって良いと思いますが、「右向け右!」と言って人のベクトルを揃えるよりは、僕は違う方法で人のベクトルを揃えることが出来るリーダーシップの方が良いと思っています。主体性を持って同じ方向を向いている人たちの一群の方が、命令されて同じ方向を向いている一群よりも、より柔軟で強いと思うのです。

 

その時に鍵となるのが、「シンクロニシティ」という概念。

 

この本は著者の経験も含め、様々な例を用いてこのことを語っています。U理論の主に左側で人々が経験することを判りやすく書いた読み物ということなのかもしれません。

 

新しいリーダーシップ観を考える上で大変参考になる本だと思います。