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進学先は2030年くらいを想像しながら決めるべき(今週の週刊ダイヤモンドを読んで)

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日本の有名大学の価値は毎年毀損していく

 

大学合格実績で中高をランキングするの好きな人多いですね。この手の進学ランキング特集を良く見るんですが、これって何の意味があるんでしょうか?センス悪いと思うんですよね。

 

なぜなら、日本の有名大学を出たという価値は今後どんどん下がっていくから。今、中高一貫に入ったら大学受験するのは6年先。例え、それが東大であったとしても、6年先の東大合格の価値は今の東大合格の価値よりもきっと低いと思います。投資判断と同様、現在価値に引き戻してどういう教育を受けるべきか判断するべきです。

 

日本の大学出身の人って、自分も含めてですがコミュニケーション能力がグローバル平均と比べて低い傾向にあるように思います。日本の大学はあまりにも同質的すぎます。似たような高校から似たような中高6年間を過ごした生徒が入ってくるので、異文化や異質なものとの対話力が磨かれません。

 

その為、海外の有名校を出たという価値は今後どんどん上がりそうです。日本企業の競争力は新興国企業にどんどん削がれるので、この先、日本人は新興国企業を含めた外資系企業で働くことが増えそうです。異文化な人の輪の中で働くことに免疫の出来ている海外大学卒業者の方が評価されやすいと思います。

 

仮に、毎年5%づつ東大卒業の価値が毀損し、海外大学卒業の価値は5%増加するとするとしましょう。すると、例えば現状ではだいぶ東大よりランクの低そうな海外大学であっても、6年後には東大卒よりも価値が出てしまうかもしれません。

例えば、東大卒の価値を100とし、海外大学卒業の価値を60とし、上記条件で6年後のそれぞれの価値を試算すると、
  • 東大卒業:100→73
  • 海外大卒業:60→80

となります。

将来の価値を見据えて、今何をするかを決めるべきです。

 

重要なのはコミュニケーション能力を鍛えること

 

今から中高一貫校に入る子供達が社会に出て活躍するのって2030年。高齢化はますます進み、若者の社会負担は重く、経済的に今より豊かな生活は期待できそうにありません。同時に、グローバル競争はますます激しく、海外の人材と仕事のポストを奪い合っている状況なんだろうと思います。

 

2030年以降を生き延びるのに必要な能力の筆頭はコミュニケーション能力だと思います。語学も含みますが、それだけではなくて、異なる文化・言語背景を持つチームで働く/マネジする能力。対話を通じて課題を解決する能力。人と共感しあうことで豊かな精神生活を送る能力、など多岐に渡るコミュニケーション能力が必要です。

グローバルプレーヤーとして個人の競争を行き抜くか、国内で貧しいながら人と助け合って楽しく暮らすか、どちらにしても質の良いコミュニケーションを図ることが必須です。

 

今から進学する学校を選ぶのであれば、日本の難関大学に何人入った学校に入れたい、なんてことを考えるよりも、その6年間で子供はどのようにたくましい「2030年以降を生き抜く力」を身につけるのか、ということをまじめに考えた方が良いと思います。

 

 国内難関大学の進学実績が~、を今考えるのはどーにもこの心がわかりません。